オンライン旅行というものに参加しました。東日本大震災の被害にあわれた方が、9年後の様子を現場からのLive中継でお話を聞かせて頂くというものです。「重い」お話なのかなと少し引きながら参加したのですが、予想と反して多くの考えを引き出して頂く充実した時間を過ごさせて頂きました。
その感想 2シリーズの1回目。組織や社会のありかたです。
ガードを上げる組織
今や組織の責任が厳しく問われる時代です。個人の思いとは別に組織は常にリスクを最小化する方向に走り、時にそれは大変非情です。その一方で、刺激をあおる、異なる意見を封殺する、一方的に責める、といった社会の風潮もあります。責任を認めた先には、賠償・補償という膨大な経済的損失もあります。
組織はそう簡単にガードを下げることはできません。
「決めない」「逃げる」「認めない」
だからといって、「決めない」「逃げる」「認めない」といった傾向はまだまだどの組織にも、特に日本には多く残っています。これが「ボタンの掛け違い」を生み、信頼を損ない、最終的に失墜した信頼を回復するのは大変なことだ、というのが講師の方の体験を聞いてよくわかりました。
違いを認める社会へ
このような組織のありかたは、考え直す時期に来ているのかもしれません。しかし、残念ながら、まだ時間がかかりそうです。
その中でも一つの光明を見いだせたと思わせる講師のお言葉がありました。
それを私はこう解釈しました。
「異なる意見を尊重し、自分の立場を自由に主張でき、みんなが前向きに進める、そんな空気をいいよねと思える人たちを増やしていくこと。」
聞くところでは、コロナの影響を受けて、最近の投資家の関心は、効率や利益から社会的価値へシフトしているそうです。これを機に、私たちのものの見方も少し変わってきている、それもどちらかといえば、前述の方向に近いのではないでしょうか。
きっとその先には、防御一辺倒の組織の新たなありかたも見えてくるのでは、と期待しています。■