新型コロナウィルスが、あっという間に世界を飲みこんでしまいました。私も既に在宅勤務で外出はスーパマーケットだけという生活が1カ月を過ぎました。最初の頃は増え続ける患者数に一体どうなるのだろうという不安でいっぱいでした。私のいる国の患者数は減少傾向に入り、だいぶ落ち着きを取り戻し、単調な生活にも慣れてきました。
しかし、感染症を抑えられたとしても、一体、経済や社会どうなるのだろうという先行きの見えないことには変わりありません。
このような中で、私たちはずっと耐えるだけでは限界がきます。今、巷ではビヨンドコロナ、つまり、このウィルスが収まった後の議論も始まっています。かなり、混沌とした状況です。正解はすぐに見つかりそうにありません。
どうすれば先の見えない世界で生き残れるのでしょう?
2001年9月11日にアメリカで発生した同時多発テロの1年後にHarvard Business ReviewにDiane Coutuというジャーナリストが書いたHow Resilience Worksという記事では、テロのトラウマに苛まれながらも、そこから立ち上がった人たちの経験を軸に、レジリエンスというキーワードを軸に困難に立ち向かう方策にふれています。
レジリエンスとは、もともとものが跳ね返るという意味でしたが、それが困難を克服する能力という意味で使われといます。イメージとしては、「ゴムを叩いた時のように、弾力性のある物質に外からを与えたら、そのエネルギーを吸収した後にこれを放出し、跳ね返す様」が最も私にはわかりやすかったです。
このレジリエンス、これまで1997年のアジア通貨危機や2011年の東日本大震災ののちにも政府やマスコミで取り上げられていました。では、単にゴムのように迫りくる危機を跳ね返せばよいのでしょうか?私たちはゴムじゃないので、跳ね返す前に粉々になってしまいそうです。
さきほどのDiane Cotouの記事では、レジリエンスとは、まず現実を正確に捉え、次にその意味をつかみ、そして柔軟な発想で対処していくことだそうです。将来の不安といった気持ちを脇にやり、現実を直視することは大変難しいことでしょう。でも、これが最初の一歩を踏み出すには必要なようです。
感染症から生き残った次はどうするか?コロナと戦っている真最中だからこそ、次の一手を考えることがビヨンドコロナに生き残れる道ではないでしょうか。■