「またかぁ」新たな挑戦への不安

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今日はオフィスで新しい基幹システムの使い方説明会のお知らせがきました。

「またかぁ」ため息まじりの声がどこかから聞こえてきました。

「わかっていても、やりたくない」こと、よくありますね。

企業の研修効果を高めるインストラクショナルデザインの専門家、ジュリーダークセンの著書Design For How People Learnでは、新たなことを学ぶことを妨げる心理的障壁が挙げられています。例えば新たなことに挑戦する不安、新たに変える必要性の理解不足、これまで慣れ親しんだことを変えることに対する抵抗などです。

説明会を開く側からすると、基幹システムの変更は重要なこと。もちろん社員もわかっています。でも、今の基幹システムになった時に四苦八苦して覚えた人にとっては、また新たに覚え直すのは苦痛でしょう。うまく新システムに慣れることができるか、その過程でまたお客様にお叱りを受けたりしないだろうか、、、いろいろな障壁が見えてきます。

ジュリー ダークセンの著書では、このような心理的障壁をより低くする方策が丁寧に解説されています。その中でも特に私が興味を持ったのはPeer、つまり同僚や仲間の力です。人は新たなことに挑戦するのが得意な方とそうでない方がいます。新システムに早く慣れた社員がいれば、その方を通じてどれだけ仕事がしやすくなったのかを広めてもらったり、他の社員へ教える機会をつくったりするとよいそうです。

そういえば、この前、私がつくった新しい予算書の書式、取引先との会議でよくわからないという方がいらっしゃいました。ところがその隣に座っていた同僚が以前にこれを使っていて、「ここをいじれば、目標値が自動計算されるから便利ですよ」といったところ、その方が「使ってみるか」と言ってくださいました。

詳しいマニュアルや親切なシステムをつくることも大事ですが、最後にそれを使うのは人です。その人の心を受け入れやすい方向へ向ける、、指示だけでないことにも少し配慮すれば、「またかぁ」も少しは減るのではないでしょうか。■